側弯症でコルセット(装具)をつけるのは特発性側弯症と先天性側弯症の場合です。
どんな場合にコルセットをつけるのか?
その目的と効果についてご紹介します。
育ち盛りの成長期にコルセットをつける期間やタイミング、かかる費用について調べてみました。
側弯症のコルセット(装具)治療の目的
側弯が25°~40°までの軽~中度の側弯症に対して、コルセット(装具)をつかった療法が行われます。
その目的は側弯のこれ以上進行させないためで、弯曲した脊柱をまっすぐ戻すことではありません。
コルセットで側弯を矯正しながら成長させて、手術しないですむまでに、骨格が成長したらコルセットの役目は終わります。
また手術をする角度になっていても、まだお子さんが小さい場合はできるだけ身長が伸びるのを待つことがあります。
手術をするまでの待機期間に悪化を防ぐためにコルセット療法が行われます。
側弯症コルセット装具の効果
コルセットに期待するのは、成長期が過ぎるまでコルセットを装着して湾曲の進行を止めることが目的で装着します。
側弯を改善する効果は無いようですが、側弯の悪化を抑える効果は期待できるようです。
コルセットはいくつか種類があり、最近では着けていることがわかりにくいタイプも増えてきています。
カラダをおおう部分を極力少なくして装着時の負担が少ない工夫をされたものも出てきています。
側弯症の最新コルセット
装具は、病院から紹介された装具屋さんで作る場合が多いです。昔は装具士さんの経験と勘によってカラダの型をとってつくるコルセットでしたが、最新はCADシステムの導入がすすみ、CAD上でレントゲン写真を重ね合わせての繊細な修正ができるようになりました。
これによって関節の可動域や体軸をきちんと考慮した方法で作られるので、矯正位置を的確に判断して作ることができるようになりました。コルセットは、だいたい脇の下から腰までをおおうような形状で、外からは目立ちにくく、材質はプラスチックなどの固めの枠組みと、直接カラダに接する内側には柔らかな素材が貼りこまれています。
側弯症の装具はどれくらいの期間つけるのでしょうか?
コルセットをつけるはじめる時期は、女子が多いので初潮前、または初潮後1年以内といわれていますが、成長期の発育が終わるまでのおよそ16~17歳くらいまでです。
18歳をこえて成長期が過ぎると、湾曲の進行が落ちついてくるので、コルセットの装着も必要なくなります。
側弯症の装具の装着時間
毎日、寝ているときもつけて入浴時以外の23時間装用が原則だといわれています。
その状態にあわせて寝ているときはつけないなど、個人差があります。
これは育ち盛りの思春期にあたるので、精神的、肉体的に大きなストレスであり、とてもつらい治療です。
なので、家族や学校などの周りの人の理解がとても大切です。
カラダの成長に合わせたコルセットの微調整
コルセットは成長期の子供がつけるので、カラダが成長するとコルセットと合わなくなって摩擦が起こり痛みが出てきます。なので、カラダの成長に合わせて不具合がでないように装具コルセットを修正したり調整する必要があります。
これは個人差はありますが、成長が止まる高校生くらいまでと考えておきましょう。
側弯症のコルセットは痛くない?
コルセットをつけたはじめの頃はカラダがまだ慣れていないということで、カラダのいろんなところに痛みが出る場合があります。
その痛みの原因は……
- コルセットがカラダにあっていなくて痛いのか?
- カラダが成長したことで合わなくなってきているのか?
- 無理な動かし方をして痛みが出ているのか?
- コルセットの不具合なのか?
これを見極めることで痛みから解放されます。
それよりもコルセットを装着することで、汗をかいて蒸れて湿疹やかぶれができたりするので、お肌のケアも心がけていきましょう。
側弯症のコルセットはいくら?費用について
最近のコルセットはカラダにかかる負担を最小限にするために開発されていて、メーカーによっていろいろな種類があります。
成長にあわせて修正や調整をしていく装具なので、1つのコルセットですむという場合はほとんどありません。
そのことを考えると費用についてはかなり個人差があると思います。
ただ最新のCADシステムを導入して作成されるコルセットは、修正がしやすくなっているので、1回ごとに新しく作り直すことはありません。
なるべく新しく何度も作り替えるのではなく、修正や調整で乗り越えられるように費用はおさえたいものですね。
申請すると受けられる給付金(コルセットなどの補装具を購入したとき)
お住いの地域に申請すると給付金が受けとれます。
コルセットなどの治療用装具を医師の指示で作成し、装着したとき、いったん全額を支払っても、
申請して審査で決定すれば、自己負担分を除いた額の払い戻しがうけられます。※注意点
補装具代を支払った日の翌日から2年を過ぎると時効となり申請できません。
忘れないようにしましょう。【申請に必要なもの】
- 療養費支給申請書(一般)
ホームページからダウンロードできます。または申請窓口に用意してあります。
- マイナンバー(個人番号)と本人確認ができるもの
- 補装具を必要と判断した医師の意見書又は証明書
- 領収書(内訳の記載のあるもの)
- 保険証
- 印かん(朱肉を使用するもの)
- 世帯主の口座番号がわかるもの
【申請の窓口】
お住いの市役所や区役所
側弯症の装具の効果と費用のまとめ
成長期にコルセットをすることで、これ以上の進行をくい止めることができるといわれていますが、精神的にも肉体的にもストレスが多くかかります。やはり家族の理解と協力は大切ですが、成長の過程にあわせて装具をなんども新調や修正しなくてはならないとき、費用の負担が大きくなります。
申請すると受けられる給付金があるので、期限の切れないうちにぜひ申請しましょう。